理系オタクが適当に感情を吐露するブログ

化学メーカーで働いています。理系オタクの独り言ブログです。半分は日記、半分は資産運用の話。

鹿児島・屋久島旅行

東京のコロナ感染者数も1桁になるなど、だいぶ収まってきた様子ですね。私も無事ワクチンを2回接種したのでここぞとばかりに旅行してきました。欧米の状況を見るに遅かれ早かれ感染者数は再び増加すると思っており、そのときは決断力のない日本のことなので治療薬が普及するまでの辛抱だとか言って自粛ムードをだらだら続けると見ています。オミクロン株で即国際便停止即再開というガバガバ・ガバナンスも見せてくれましたし、もうちょっと上手くやってほしいです。(文調でお分かりかと思いますが、私はコロナ対策の経済活動制限には否定的です)

ということで、行くならこのタイミングしかないと思い、兼ねてから行きたかった屋久島行きを決めました。ちなみに私は最近登山にハマっていて今夏は富士山に登りました。富士山と屋久島、登山愛好家の2大スポットと言って過言ではないこの2つに1シーズンで行くことになるとは思いもしなかった。

 

【計画編】

限界一人旅には入念な計画が欠かせません。青春18でギチギチの乗り換えプランを組んでた頃の経験が生きますね笑。しかし、離島に行くのは本当に大変です。有名な縄文杉を日帰りで見に行くには、最低でも日の出と同時くらいにスタートする必要があるのですが、そうすると屋久島に前日入りすることになります。順調に下山できれば夕方の飛行機に乗って帰れると思いますが、本当に忙しい旅程になります。

いろいろ考慮すると2泊3日は必要で、これで基本骨格が決まります。

1日目:東京→鹿児島→屋久島(屋久島で宿泊)

2日目:早朝から登山(屋久島で宿泊)

3日目:屋久島→鹿児島→東京

 

次にコストです。なるべく安く済ませたいところですが、離島に行くのは交通費がかさみます。首都圏から出発なら、LCCで成田→鹿児島、高速フェリーで鹿児島→屋久島が時間/コストのバランスが一番とれていると思います(ローシーズンの平日なら往復4万円くらい)。大型フェリーであればもっと安いですが、時間がかかる上に到着時間も都合が悪いのであまりお勧めしません。ちなみに私は全て飛行機を選択しました。

0日目:羽田周辺に泊まる

1日目:羽田(6:25)→鹿児島空港(8:20)

     鹿児島観光

     鹿児島空港(16:50)→屋久島空港(17:30)

     宿泊

2日目:登山

     宿泊

3日目:屋久島観光

     屋久島空港(18:00)→鹿児島空港(18:35)

     鹿児島空港(20:40)→羽田(22:15)

社会人になるとまとまった休みを取るのが難しいです。会社のカレンダーが11月20日~23日の4連休だったので、このタイミングしかないと思ったのですが、航空券が高過ぎて絶望しました。というわけでコスト圧縮のために羽田周辺に前泊して日曜日の早朝便を選択しました。一般的な連休であれば、帰省方向は初日以外の遅い便・早朝便が安く、Uターン方向は最終日の遅い便が安いです。よって、土~火のカレンダーであれば、日曜早朝発&火曜最終便は合理的な選択です(体への負担は知らん)。始発便は家から出ると間に合わないので羽田周辺で前泊です。空港で野宿でもいいのですが、さすがに登山を控えて体調を崩すわけにもいかないのでスパサウナ付きのカプセルホテルに泊まりました。1日目はどうせ屋久島への移動になるので、無理やり鹿児島観光を入れて、3日目はせっかく屋久島に行くので登山以外の観光をしてから帰ることにしました。帰りは終電ギリギリでいい感じに限界一人旅感のあるスケジュールになりました。

 

【登山準備編】

屋久島は九州最高峰の宮之浦岳(1936m)を中心として島全体が山のような険しい地形です。宮之浦岳縄文杉といった定番スポットは登山口から片道5時間程度かかります。縄文杉までのルート(下図の①)はとてもよく整備されているので早朝に出発すれば日帰りは十分可能です。ただ、登山口がマイカー規制で入れないためバスなどを利用しましょう。私はせっかくレンタカーを借りるのにバスを使うのもなあと思って、違うルートからアプローチすることにしました。白谷雲水峡というこちらもまた素晴らしいハイキングコースから峠を越えて縄文杉を目指します(下図の②スタート)。本当は縦走したかったのですが、季節的に寒く日も短いので日帰りはかなり厳しいです。天気予報とかゴールしてから車を取りに行く面倒さなどを懸念してやめました。

屋久島登山道マップ - 屋久島エコツアーガイドAND (and8940.com)

そして雨対策が必須です。屋久島の山中は年間降水量10,000mmとも言われ(東京の6, 7倍くらい?)、レインウェアがないと体温が下がり危険です。また、単独で登ることもあり、十分な食糧・水、万が一に悪天候で下山できないときに備えて寝袋を準備しました。幸い山小屋がいくつかあるのでテントまでは要らないと思います。

 

準備編が長いですか。限界一人旅は計画が8割なので。。

 

【当日編】

無事に起床して始発で蒲田から羽田空港へ。鹿児島空港に着いたらレンタカーを借りて鹿児島市街に向かいます。鹿児島空港から鹿児島市の中心部までは車で40分くらいです。空港から街までが遠い、地方空港あるある。他にも行きたいところはあったのですが、時間がないのもあり桜島を見に行くことにしました。桜島は昔から行きたいと思っていました。2008年の大河ドラマ篤姫」の序盤は薩摩が舞台なわけですが、すごく風景が好きだなあと思っていました。あと、宮崎あおいはかわいい。

鹿児島市から桜島はフェリーでたったの15分。地元の通勤通学の足になっており便数も多いです。海岸沿いをお散歩すると火山特有の地形があったり、足湯があったりします。桜島は今なお活発に活動を続けており、噴火や爆発は日常茶飯事だそうです。残念ながら(?)私の滞在中には何事も起きませんでしたが。展望台から錦江湾(姶良カルデラ)を眺めると、自然の脅威を思い知らされます。3万年前の破局噴火で九州南部一帯を火砕流で埋め尽くし、今のカルデラの形が形成されたという事前知識はありましたが、実際に雄大カルデラとシラス台地を眺めると、いかに当時の噴火がすさまじかったかが想像されます。

f:id:yu_k101010:20211204172137j:image

フェリーのデッキから

f:id:yu_k101010:20211204172224j:image

一般人が立ち入れる最高地点の展望台から

f:id:yu_k101010:20211204173652j:image

鹿児島市街地側からも1枚

 

途中のイオンで翌日の登山のための食糧と水を調達し、空港に戻りました。道を間違えて大幅に時間をロスして屋久島行きの飛行機に送れそうになりましたが、レンタカー店が素早く返却手続き&送迎をしてくれて、車返却してから25分で飛行機に乗れました。保安検査場が激込みで焦りましたが、とにかくトヨタレンタカー鹿児島空港店さん、神対応ありがとうございました。

f:id:yu_k101010:20211204222940j:image f:id:yu_k101010:20211204222937j:image

鹿児島空港から屋久島へ。4列のプロペラ機は初めて乗りましたが、思ったより揺れが少なくて快適でした。船酔いしそうだったので飛行機を選んでよかったです。

 

空港に着いたらレンタカーを借ります。2泊3日借りるし、3日目に屋久島一周ドライブする予定だったのでちょっと奮発してカローラセダンを借りました。一人でカローラを借りたのでレンタカー店の人に怪訝な顔をされました。レンタカーの定番と言えば日産のマーチとかトヨタヴィッツですが、正直アクセルがペコペコして頼りないんですよね。その点カローラは乗り味の面ではだいぶ良くて感動しました。見た目もプリウスよりカッコいいし、欲しくなっちゃいます。BMW3シリーズとかだともっといいんですかね?車の話はさておき、明日は早いので20時就寝です。

 

2日目。朝3時起床。予報通りの大雨。白谷雲水峡まで真っ暗な山道を30分ほど運転する。予定通り4時過ぎに駐車場に着いたのですが、当然のごとく誰もおらず、真っ暗で土砂降りの雨。本当に登れるのこれ?って感じでした。不安に駆られながら支度をしていると2台目の車がやってきて少し勇気をもらえました。

f:id:yu_k101010:20211204223026j:image

暗闇&大雨。本当に登るのこれ?

朝5時。周囲は当然真っ暗なのでヘッドライトを頼りに登山開始です。大雨だけでも心折れそうなのにヘッドライトが全然役に立たない!暗すぎて足元を照らすのでやっとです。Amazonで買った格安ライトに命を委ねてはいけませんね。。結局、別に持ってきた自転車用のライト(こっちは有名メーカー品で街灯がなくても自転車で走れるくらい明るい)を懐中電灯のように手で持って片手をふさぎながら歩く羽目に。

白谷雲水峡は昼間に歩けば、苔むした地表と屋久杉の天然林、渓流の風景が非常に美しいそうですが、暗いので何も見えません。途中で飛び石をつたって沢を渡るところがありましたが、昨晩からの大雨で増水して暗闇の中到底渡れる状態ではなく、引き返すことになりました。引き返して別ルートに戻ったところで夜が白んできて心細さも解消しましたが、そのあとも道を間違えるなど計2時間ほどロスしてしまいました。計画不足を嘆きながら折れかけた心を立て直すために山小屋で休んでいると、たまたまガイドさん率いる登山客に出会いました。恥を忍んで今の状況を説明し、今から縄文杉まで往復できるか相談してみると、健脚なら日没までには下山できる、この時間までにこの地点を通過できなかったら引き返せばいい、と具体的なアドバイスをくれて心のもやもやが晴れました。

f:id:yu_k101010:20211204223055j:image

ロッコ道:屋久杉の林業が盛んだった頃の名残が登山道として保存されている

アドバイスをもらってからは順調に進み、トロッコ道に合流してからは歩きやすくなってさらにペースも上がりました。少し雨脚が強まってきましたが、正午過ぎに無事縄文杉に到達。雨が強くてあまりいい写真は撮れませんでした。あれだけ濡れても壊れなかったiPhoneはむしろ偉いと思いましたが。

f:id:yu_k101010:20211204223128j:image

縄文杉の周囲の土壌を守るためにきっちり展望デッキが整備されている

時間が押していたので補給食を流し込んですぐに帰路につきました。防水機能付きといえども靴の中はぐしょぐしょで、ふやけた足の裏に靴擦れができそうでしたが、何とかゴールまで持ってくれました。終わってみれば予定下山時刻通りで、いつの間にか2時間のロス分を挽回していたようです。

宿泊場所に帰ったらシャワーを浴び、びしょ濡れの荷物を全て広げて、夕食を食べて即刻寝落ちしました。悪天候、暗闇、時間ロスが重なって心身ともに疲弊し、生きていることをこれほど強く実感したことはなかったです。その晩、疲れからか株の注文をミスして寝落ちしてしまい、旅費以上のお金が飛びました。デイトレやっている方は旅行する前に対策しておきましょうねー笑。

 

3日目。あれだけ雨を浴びたら風邪ひくかなあと思っていましたが、体調良好。GORE-TEX®のレインウェアは偉大なり。この日は帰りの飛行機の時間までまったり観光の予定。屋久島を反時計回りに一周ドライブしながら観光スポットを回ります。まずは宮之浦港屋久島環境文化村センターへ。フェリーで屋久島に来た人は手始めに観光情報が色々ゲットできそうです。屋久島の西側は街並みが少なく、快適なドライブコースです。隣の口永良部島が良く見えました。ウミガメが産卵するビーチや灯台なんかがあります。

f:id:yu_k101010:20211205005308j:image

お隣の口永良部島と南国らしい景色


f:id:yu_k101010:20211205005305j:image

ウミガメの産卵する砂浜(外洋にむき出しなので波が異常に高い)


f:id:yu_k101010:20211205005302j:image

屋久灯台灯台は最果ての地という感じがしてけっこう好き。

 

屋久灯台を過ぎると西部林道と呼ばれる国定公園内を通過する道へと入ります。サルやシカがたくさんいました。サルどもが道路上で日向ぼっこして道を塞いでいたのですが、クラクション鳴らしても逃げないし、轢き〇すつもりで超低速で近づいたらようやく避けてくれました。

f:id:yu_k101010:20211205005354j:image f:id:yu_k101010:20211205005351j:image

君ら、車慣れし過ぎじゃない?

 

f:id:yu_k101010:20211205005414j:image

大川の滝は屋久島で最大の落差を誇る。

 

屋久杉自然館はかなりおすすめです。屋久島の歴史や屋久杉の特徴が学べます。屋久杉は高品質の木材として江戸時代から需要があったようです。鹿児島空港での反省を生かし、早めにレンタカーを返して屋久島空港に戻りました。飛行機が30分遅れで結局2時間くらい待つ羽目になりましたが。1日1便しかない伊丹行きは欠航になっていましたね。お気の毒様です。鹿児島空港到着が遅れたので、乗り換えの人は大慌てでした。私は乗り換えに2時間確保していたので余裕がありましたが、搭乗予定の鹿児島→羽田便が大幅に遅れたため終電逃しが確定しました。特にトラブルはなかったみたいなので、連休最終日で久しぶりに空港が混み合って遅れたといったところでしょうか。まあ、旅行客が戻ってきているということなのでいいことです。翌日有給休暇にしておいて良かった。

f:id:yu_k101010:20211205005451j:image

ありがとう屋久島。また行きたいです。

 

4日目。羽田空港で野宿して始発を待ってから帰宅。大学生か?

おしまい。